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Nゲージ EF30 1を作る(前編)

 みなさまはじめまして。ワールド工芸駆け出しの新人Mです。「我が社の製品に慣れてもらうにあたり、とりあえず何かキットを組んでみなさい」、という社命をいただき、もうすぐ発売予定のNゲージEF30 1のキットの試作組立を行うことになりました。「本格的な金属製鉄道模型を組立ててみたい」「でもハンダ付けなんてやったことないし不安」などというみなさんのお力に少しでもなれば、という企画です。塗装抜きのいわゆる「生地完成」までを解説したいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 このEF30のように車体中央部に両軸モーターを置き、2つの台車を駆動するシステムはワールド工芸製の他のED級電気機関車などとも共通のメカ構造となっています。それらのキットの組立の際にも必ず役立つはずですので、ぜひお読み下さいね。
 また、工作に必要な工具類の解説もございますので、そちらも必読です。

動力部組立

01_01 ワールド工芸のキットのパーツはこのような金属板を「エッチング」という方法で抜いた物がメインとなります。エッチングとはパソコン等のプリント配線板などに使われる加工法で、ミクロ単位の加工が可能なんです。ちなみにこの銀色の金属板の素材は「洋白(ようはく)」と呼ばれる銅、亜鉛、ニッケルの合金で、加工性に優れ、後で出てくる「真鍮(しんちゅう)」に比べて、固くてしなやかな材質です。身近なところでいうと、500円硬貨がこの洋白製だそうですよ。
01_02 板からパーツをはずす時にはこのように必ずニッパーを使って切り離します。切り口が目立つときはやすりがけをしてバリを取らなければならないので、ニッパーでの切り離しはぎりぎりのところで行います。プラモデル用のものが使いやすいようです。そこそこいいものを買っておいた方が、切り口が奇麗です。
01_03 さらに、切り離したパーツは溝に沿って山折りにしたり谷折りにしたりして組み立ててゆきます。斜めに曲げてしまわないよう、必ずこのようにフラットノーズプライヤーを使って曲げましょう。また、一度折り曲げ方向を間違えてしまい、あわてて反対側に折り曲げ直すとそこでパーツは折れてしまいます。取説を良く読み、曲げ方向を絶対に間違えないようにするのが工作のポイント。
01_04 折り曲げたパーツはそのままでは強度が不足します。また、180度折り曲げたパーツも何もしないと隙間が空いてしまいますので、ハンダを流して固定、強化しておきます。写真は動力台車の車輪座です。赤矢印のようにハンダを流せばオーケー。
01_05 パーツによってはこのようにネジ山を切る必要があります。写真は車輪座に1.4mmのタップを切っているところ。これくらい細いタップはタップハンドルではなく、このようにピンバイスにくわえて使用します。
01_06 ハンダ付けに使うフラックスは金属を腐食します。ハンダ付けが終わったパーツは必ずこのようにぬるま湯につけてクレンザーで洗浄しておきます。
その後、足回りパーツはプライマー、黒の順に塗装しておきます。組み上がった後だと塗装は不可能です。ただし、この製作記事は塗装の工程はパスしますのであしからず。
01_07 塗装が済んだら動力部を組み立てていきます。写真はギアボックスを構成するN中ギアと呼ばれる部品。実は表裏があります。わかります?左のボス側を車輪座に向けて組み立てます。間違えないように。
01_08 車輪座にN中ギアを組み付けました。ところが矢印部分、真鍮挽物製の小ギア軸の表面にバリが出ているのが分かります。後から組み立てる大ギアと干渉することがありますので、ヤスリで表面を平らに仕上げておきましょう。
01_09 N大ギアを組みました。この時点でギアが軽快に回らないと失格。引っかかるのであればなにか原因があるはずです。ネジの締め付け、バリ等、ここで完全に原因をつきとめておかないと、走らない模型になってしまいます。
01_10 もう片方の車輪座は絶縁ブッシュ、絶縁ワッシャを使って組み立てます。これらの組立は固くて平らなテーブルの上等で行い、ずれやゆがみが出ないよう、目視チェックを繰り返してください。平らなガラス板等の上に置き、車輪座の4点がしっかり設置していればオーケーです。
01_11 車輪と駆動軸を圧入して車軸を組み立てます。圧入は万力でもできそうですが、万力では平行圧入ができません。写真のような卓上バイスを使って歪み無く組み立ててください。ちょっと高い工具ですがいろいろ便利ですので、買っておいて損は無いと思います。
01_12 鉄道模型は車輪から集電してモーターを駆動します。ですので動力ユニットを組み立てる前にこのように車輪が入る穴をφ2.5の丸ヤスリかφ2.5のストレートリーマーで仕上げて塗装をはがしておきます。
01_13 車輪座に車軸を組んだところ。この時点で机を転がして40〜50cmくらいは勝手に転がって行かないと、快調に走りません。引っかかるのであればなにかどこかに問題があるはずです。何度か組み直す必要もあるでしょう。
01_14 こちらは動力のない中間台車。動力はないですが車軸は動力車軸と共通です。
01_15 動力部の本体である「連結部」を組み立てます。今度は金色の真鍮製のエッチング板です。真鍮も銅と亜鉛の合金。さきほどの洋白よりも柔らかい素材で、ブラスとも呼ばれます。楽器のサキソフォーン等もこの真鍮でできています。金属といっても結構傷が付きやすいのでヤスリがけ等はソフトにお願いしますね(笑)。
01_16 エッチング製の金属板をぱたぱたと曲げてから、ハンダで組み立てます。後でモーターを取り付けたときにガタが出ないよう、3つのパーツを隙間無く密着させて組み立てる必要があります。このように指で押さえておいて、一瞬でハンダ付けをしてもいいでしょう。流石に熱いので写真ではタオルハンカチごしにつかんでますが、ハンダこてでハンカチをちょっと焦がしてしまいました(泣)。なので以後は折り畳んだティッシュペーパーに変更。ティッシュペーパーだってもちろん焦げますが、焦げるってことはハンダこての当てすぎっていうことですね。
01_17 中間台車取り付け用のボルスタをハンダ付け。ちょっと下手くそですね、これ。すみません。
01_18 連結部完成。無駄なハンダはキサゲで処理し、表面はサンドペーパーがけをしています。車体をかぶせてしまえば見えなくなる部分ですが、これくらいの気配りはしたいところ。連結部は黒で塗装し、必要部分を薄緑の車内色で仕上げたいところです。これもクレンザーで洗浄し、プライマー処理した上で塗装します。
01_19 動力台車の旋回座を組み立てます。写真のようにゴム系接着剤をごく少量塗り、洋白エッチングの座金をしっかり組み付けます。
01_20 組み付けた座金ごと、写真のように1.4mmのタップを立てます。これ、意外と重要なポイントです。
01_21 これを先ほど組んだ動力ユニットにネジ止めしてユニット完成です。台車枠は別途後から取り付けますけどね。
01_22 長軸の両軸モーターにウォームギアを取り付けます。エポキシ接着剤を使うと良いでしょう。ウォームギアの取り付け位置は物差しできっちり寸法を決めるのがポイントです。
01_23 連結部にモーターをネジ止めします。写真ではちょっと見にくいですがモーターの「+」マークは矢印の位置に。間違えると模型が逆走してしまいます。なお、配線のハンダ付けにはいつものフラックスを使ってはいけません。電気配線用のフラックスを使うか、電気配線用のヤニ入りハンダを使います。
01_24
動力部完成!緊張の走行テストです。手持ちの他の模型も一緒に走らせると逆走してないかどうかの確認になります。右カーブ、左カーブで調子が変わったり、進行方向によってギクシャクするようだと、何か問題があるはずです。バラして再度組み立てる等の調整で、問題は解決するはずです。基本的に注油は必要ありませんが、あえてしたい場合はプラスチックを侵さないシリコンオイルを用い、車軸部にごく少量垂らす程度にします。大量に注油してしまうとホコリがついてしまい、かえって調子が悪くなるそうです。

お疲れさま!次回はいよいよ上回りの組立です。