16番 ワフ29500を作る
こんにちは。もうすぐゴールデンウィークですね。まとまったお休み、金属キットの組立にチャレンジするぞ!などという方もいらっしゃるかと思います。そこで急速にラインナップも増えてきたワールド工芸の2軸貨車を組立てみよう、という特集でございます。ネタに選んだのは国鉄でいちばんポピュラーな有蓋緩急車、ワフ29500です。なぜ有蓋緩急車にしたかというと、有蓋車の組立と車掌車の組立を同時に説明できるからなんです。さて、チャレンジです。ちなみにハンダこては40Wくらいが最適です。ワールド工芸のキットは0.3mmの薄板製ですので100W以上のこてをつかうと熱量が多すぎてパーツに歪みを生じることがあるからです。1955年から650輌が生産された有蓋緩急車で国鉄最後の新製「ワフ」です。貨物積載量を5tとし、車掌室もある程度の広さを確保、デッキを備えています。当初から車軸発電機を備え、石炭ストーブも備えられていました。左右で窓の枚数が異なるのが特徴です。
まずは下回りから。これは床下の機器箱のパーツです。一般的にはホワイトメタル製だったりしますが、エッチング板で作ってしまうのがワールド工芸流です。
かなり小さなパーツですが曲げたりハンダづけしたりして組立てます。機器箱の「足」もこんなにシャープに仕上がります。
さきほどの機器箱、蓄電池箱を床板に取り付けたところ。右側に見えるのは台車のブレーキシューです。
こんな感じ。カプラー台、中央梁、ブレーキシリンダー座も付けました。床板には板張り風筋掘りが施されています。完成するとあまり見えない部分ですが、この辺りを再現するのは模型ならではだと思いませんか?
これは車掌室側のステップ部品。これも折り曲げて組立てます。
側梁にハンダ付けしたところ。
側梁を床板にハンダ付け。ブレーキシリンダーにブレーキてこ、車軸発電機と駆動ベルト、空気管も取り付けて下回りはほぼ完成。朝から始めて、大体お昼ごはん前にはここまで来ます。
床板の上面に飛び出たピンは邪魔なので削り取ります。面倒くさいのでリューターで一気に削ってしまいます。もちろんニッパーとやすりでごしごしやれば同じことです。
お次は単軸台車です。これもキャストパーツではなく、エッチング板の折り曲げて作ります。
実写の軸箱守は異常に薄いのですが、スケール通りにしてしまうと強度不足は明らか。0.3mm板の2枚重ねです。
担いバネパーツ完成。ワフの担いバネは有蓋車と同じゴツいタイプ。乗り心地悪そうです。それに引き換え車掌車の担いバネは乗り心地を重視して細くて長い。しなやかな感じです。
単軸台車完成。組立は結構面倒くさいですがこの仕上がり。苦労が報われた感じです。
さて上回りに着手です。荷室ドアは4枚重ねの構成。細い部分は破損しやすいのでランナーから切り離したら、すぐ組立てます。
4枚重ね。ドア完成。
車体構成。車体と妻板、仕切り板、車掌室デッキの妻板と床板は一体構造です。
すべてのパーツには合いマークや切り欠きがあるのできっちり正確に組立てられます。位置決め冶具などは必要なし。
組立てには写真のような木っ端や割りばしが大活躍。木製のものはパーツを傷つけることなく、ハンダこての熱を食うこともありません。おすすめです。
妻板にはエッチング板製のベンチレーター、手すり、尾灯掛け、ステップ、カプラー開放てこ等のパーツを取り付けます。
車掌室デッキ。ドアのHゴムは別パーツなので塗装後に接着剤取付けとなります。
車掌室デッキ妻板は強度が必要なため、真鍮ではなくリン青銅製。エッチングのロットによって曲げが固い場合があります。そのときは折り曲げ線をカッターナイフ等でなぞれば曲げやすくなります。
デッキ妻板に付くブレーキハンドルを真鍮線にハンダ付けするのですが、これって実は結構厄介。少量のハンダで垂直に付けるのはなかなか難しいものです。蒸気機関車の煙室戸ハンドルなんかも同じ。なのでこのようなパーツにしてみました。ハンドル部分だけにハンダを流します。
しっかり固定出来たらハンドル以外の余計な部分をニッパーで切り取って完成。簡単です。
こんな感じに取付け。
箱になってきました。構造がよくわかると思います。
めでたく生地完成。ワフは構造がやや複雑なので時間はかかりますが、1日半あればここまでたどり着けます。
左右で窓の数が違うのが面白い。左右対称じゃないところがワフの面白さだと思いませんか?
>16番 国鉄 ワフ29500形 有蓋緩急車 組立キット 15,400円 (税込)
2021-02-19 10:20
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